美の探究 ~バラガンから感じるもの~

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あっという間に2月も半ば、
どうしてこんなに時間が経つのってはやいんでしょう。
小さい頃は、1日がとても永く感じて
友達が集まらない時間ができてしまうと
何をして遊んだらよいのか、考えるのも苦痛な程だったのに。

まあ、それは兎も角として、
2月が終わる前に、ホームページのTOPページに載せている
あの手書きのメッセージについて説明をしたいと思います。

建築の巨匠がどんなことを考えて作っていくのかを
つきつめていくと、はっとするような言葉がでてきたりします。
Luis Barraganのこの言葉もその一つ。

「素晴らしい生活を作り出すことにおいて、美を求める事は、人間の存在に威厳をもたらすことに、少なからず貢献できると信じる。」Luis Barragan

デザインをしていると「美」って一体なんだろう?
どうして人間は「美」を求めてしまうのだろう?
という疑問が必ずでてきます。そしてそのなんだろう?の答えを出すのは
時に苦痛であり、魅力的な一生涯かけての問いかけの一つです。
そしてこのバラガンの言葉をよむと、まさにそんな苦痛と魅力に、
とりつかれてしまった人なんだと感じます。

さてバラガンの建築について。
私がバラガンの写真集を見ての第一印象は
「きれいな色づかい。シンプルで緊張感はあるが、温かみのある空間だな~」でした。
しかし色を使っている場所には、全てにすごい理由があり、
シンプルにする理由、選んでいる材料にも全てに理由がありました。
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そこには単に、「シンプルなほうが美しいでしょう」とさらっと簡単に答えを出してしまうのではなく、もっとねばりっけのあるしつこさのような執着心を感じます。
これは悪い意味で言ってるのではなく、このしつこいくらい考えてシンプルなものをつくるのとさらっとシンプルなものをつくるのでは、絶対何かが違ってくると言いたいのです。
言葉では言い切れない魂のような、雰囲気のような、気のような。

実はノアノア空間工房のノアノアもそんな建築をつくっていきたいと思ってつけた名前でもあります。「ノアノア」とは良い香りという意味ですが、図面や言葉では伝わらない美しさを表現したい、探究していきたいという想いです。

少し話しがずれましたが、こんな風に建築家のいろいろな人の言葉がきにかかります。
そう、同じような考えをしていると思える言葉を捜しては、美を探究することをあきらめそうになる自分に「その考えで間違ってないよ、だからこのままつっぱしっていいんだよ」と言ってあげる。なんか自分で自分に言ってあげるって変ですが、自分なりの美を求めることは、結構孤独な作業だったりするので、これの繰り返しのような気がします。

しかし今回のエントリー、ちょっとしつこかったかな?
こんなにだらだら書いても誰も読んじゃいないよな~
わかっちゃいるけど、止まらないわけで・・・
デザインももしかしたら同じ?
いやいや、きっと誰かが読んでくれる、
きっと誰かが分かってくれる。
そう信じてがんばります。
*気が付けばバラガンの説明が殆どなかったね。また次の機会に。
by noanoa_labo | 2006-02-14 05:33 | Comments(0)

建築家大塚泰子の建築・家・暮らし・アート のこと


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